消防団裏物語

消防団員の虚しい真実

消防団員の日常3

 とある昼前、雑用をしていると一通のメールが

火災情報0000000

「あー応援いくとこだ。w」

 急いで車を走らせる。住宅街を抜け一面田んぼの道に出ると、遠くはない場所に火柱と黒煙が見えた。緊張もするし結構焦る。体も震える。

 詰所に着くと、ポンプ車が車庫から出ていて、ベテランの機関員の人がひとりだけいた。「Aさんが来たら出動だから。」と。つまり三人で現場へ。昼間の火災はほとんど二、三人しか集まらない。4人も集まればいいほうだろう。

 A到着。緊急出動する。俺は運転席の後ろに座る(下っ端の定位置)。

「取ってくれ!!」割と偉そうに言われる。hage !

 

「密集してるからやべんじゃねん?」


 現場に到着すると火柱こそなかったものの黒煙がすごい。
「お疲れ。」
 ここで分団長が来た。今日もこの人の店は臨時休業というわけだ不憫だが。
到着が一番遅かったので水利は無い。とりあえず機関員を一人残し、鳶口とホースと筒先を持って現場に行く。

 地元の分団が放水していて、疲れたので下っ端の俺に代わるってところで「放水やめ」がかかった。。まあまあ安心した。

 その後がきつかったのだ。風呂屋の火事だったので、薪が多く積んであり、その底でくすぶっているらしく、薪を一個づつリレーでどかしていった。消し炭の混じった黒い水が目に入る。しかし洗えない。洗う暇は無い。しみなかったのが幸いか。

 「きりがないな。」

 ほんとうにきりがなかった。しばらくしたら鎮火のめどが立ったので、あとは消防士たちに任せて俺たちは見ているだけになった。

 「あれ昼飯まだか。腹減ったなー」

 他の地域の団員の人達もみんな昼飯を食わずに現場に来ていたようだ。しばらくすると撤収命令がかかり、他の分団のホースを巻きながら撤収した。しゃがみながら長いホースを巻くのでこの作業も疲れるのだ。

 

 詰所に着き、片付けや防火衣に付いたススやら泥やらを取って綺麗にする。早速、さっそく今日の慰労会の打ち合わせに入った(笑)

 

 金くれてもいいんだぜ?

 家に着いたら、15時は過ぎていたと記憶している。